SHINKOコラム

日本の年金問題

 「こんなに高額な保険料を支払って将来年金は本当にもらえるの?」

このような言葉が日本国民の間で騒がれ始めて随分と長い時間が経過しております。また、過去には年金記録改ざん、年金積立金の運用の失敗などの社会問題も起きており、今や年金行政が国民の信頼を得ているとは言い難い状況であるのは事実です。また、世代間扶養という考え方に基づく制度である以上、現在の会社や労働者からの保険料徴収をもとに受給者世代を養い、労働者は権利を積み立てるといった形を前提に行政は厚生年金、国民年金双方の適用促進を全力で行なっているところであります。しかしながら厚生年金への加入について未加入事業所への接触や国民年金未加入者、滞納者への接触についても全てが順調であるとは思えません。法人でありながら未加入であったり、保険料支払義務があるのに正当な理由なく滞納していたりといった現実は法律的にみて許容できないという行政の言い分は確かに正しいです。ところが会社経営者や国民からすると行政の過去の問題もあることから一方的な言い分だとの主張もかなり多いのも現実であります。

  このような中で日々、超高齢化社会に向かっている日本で年金制度がどんどん複雑化し難解なものになってしまうと結果として国民や高齢者を無視したやり方であるとの批判を受けることはまず確実ではないでしょうか。例えば、年金制度改正について年金額の特例水準の解消により年金額の引き下げが発生します。これを解決する為に可能性ではありますが国民年金加入期間(満額支給)を現在の20歳から60歳という幅から上を65歳にするといった改正案まで出てくることも考えられます。結果、国民の保険料負担は増加することになり不満はかなり出てくるでしょう。

  国も国民も相互理解のもと日本という国の年金制度につき協力体制を築かないと制度崩壊になりかねないと思われます。

 

 社会保険労務士   鈴木 寿行

 

 

more
No comments

「紙」の六法

先日、岩波書店が六法全書の発行を平成25年限りで終了するとのニュースが流れた。

https://www.iwanami.co.jp/topics/index_k.html

上記ホームページによると「インターネットの普及等により条文や判例へのアクセスも多様化した結果、大学教育等の場において六法の需要は低迷し、その在り方が問われる状況が現出していることも事実です。」とのことであった。要は「紙」の六法は売れなくなってしまったのである。

 同書店の六法のシリーズの一つの、「コンパクト六法」(平成21年版から「基本六法」とタイトルが変更されているが、便宜上「コンパクト六法」と表記する)は、私が大学に入学した年に発行された六法で携帯に便利なことや、大学の教授が推薦していたこともあって、私が最初に購入した六法でもあった。

 「法学徒たる者、六法は常に携帯して授業に臨み、毎年買い替えるのが常識である。」などと刷り込みを受けていたので、コンパクト六法だけは毎年買い替えていた。

 授業で教師が指摘した条文や教科書に出てくる条文を六法で確認し、必要に応じてアンダーラインを引き、備忘のメモを書き込む。そんな作業を繰り返しているうちに、良く参照している条文のページがよれて「使用感」が出てくるのがなんとなく気持ちがよかった。「自分は勉強している」という感じを客観的に確認できているような「自己満足感」があったのだと思う。

 そんな風に1年かけて手になじんだ六法も、毎年4月になると、新しい六法に買い換える。まっさらなページをめくっていくと正に「気分一新」という気持ちになったものだ。

 辞書でも同じだが、いわゆる「紙ベース」のものは、かさばるけれども探したい条項、条文だけでなく、関連する条項、条文の検索がし易い。他方で、電子辞書等の「電子媒体」は、ハンディな反面、検索はしづらい。両者はそれぞれを補完しあって共存できると思っていた。それだけに今回の岩波書店の六法からの撤退は少なからずショックであった。

 人類は利便性を求めて文明を進化させてきた。情報のアナログ(紙)からデジタル(電子媒体)化もその一つだと思うが、デジタルは書き込みもできないし、よれることもないから、紙のように自分の勉強してきた足跡も確認できなくなるし、電気が止まれば閲覧することすら不可能になる。

 「紙の本は重くてかさばる」、「情報はインターネットで取得できる」そんな理由で六法が売れなくなったのであれば悲しいし、「利便性」の意味をはき違えているような気がする(それに紙はリサイクルもできる優れた製品でもある。)

 まずは、アナログから学ぶことが基礎にあるのではないだろうか。こんなことを感じるのは、法律を学び始めた年に初めて購入した六法の刊行終了を知って、少しセンチな気持ちになっただけなのかもしれないが。

顧問弁護士 小屋喜裕

 

more
No comments

税金便り

消費税増税決定

 平成25年10月1日夕方、安倍晋三首相が首相官邸における記者会見で消費税率を来年(平成26年)4月1日より8%に引き上げることを表明した。

 平成9年4月当時の橋本内閣が3%から5%に引き上げて17年ぶりの消費税増税である。これは平成24年8月10日に3党合意のもとで8%への増税が成立し、景気条項の附則18条に経済状況などの総合的な勘案条項があったため、その判断を保留していたが、アベノミクス効果による景気の回復の兆しがありとの判断により(4~6月期の実質成長率が前期比3.8%増)政府は増税へと舵を取ったのである。しかし中小企業には全く景気回復の兆しすらない。

 消費税の増税分は「社会保障にしか使わない」と弁明したので、間違いなく年金、医療、介護等の充実に充てるとのことを裏切らないでほしいものである。

 増税時の5兆円規模の経済対策、減税メニューが示されたがその内容には、中小企業に該当するものはほとんど皆無である。

 復興法人特別税前倒し廃止は赤字法人には関係がない。低所得者に1万円支給、住宅ロ-ン減税の恩恵が及ばない人への現金給付、東京五輪に向けてのインフラ整備等、企業の設備投資や事業再編を促す減税、賃上げした企業への減税拡充、住宅ロ-ン減税拡充、中小企業に対する経済政策がどこにあるのだろうか。

 それでも平成26年4月1日からは消費税が8%になる。企業が消費税を円滑に転嫁できなければ自己負担、資金繰りに重大な影響、結果を招くので、中小企業を対象に消費税転嫁対策特別措置法が平成25年10月1日よりスタートした。

  1. 大規模小売業者等による減額、買いたたき他、消費税の転嫁拒否等から守ります。

  2. 転嫁拒否の事業者があれば、転嫁対策調査官がチェックしていきます。

  3. 広告宣伝や値札の表示に関して、禁止事項や特例事項があります。
  4. 国・地方自治体他による電話相談を気軽に利用できます。

 ※独立行政法人中小企業基盤整備機構に相談ください。

財政再建はどこに

国民に増税を求める前に「身を切る改革」や膨大な赤字国債(1千兆円超)借金残高をどう解決しようとしているか示されていない。平成24年11月14日の党首討論において、安倍さんは約束したものの、政権の座につき、総理大臣になると忘れたのだろうか。3本の矢とともに財政再建に取り組まなければ、折角の3本の矢を生かすことができないのではと心配するのは私だけではないと思う。

 顧問税理士 若狭茂雄

more
No comments